ゆみこと。

日々の記録。

妊娠?週目

もう何度買ったか分からないくらいなのに、妊娠検査薬とかコンドームとかを買うときってコソコソしちゃう。


こいつ、昼間からAVレンタルか?万引きか?

ってくらい怪しくなっちゃう。


レジが並んでない隙にサッと行って


『ババァ早く紙袋!そう!それ!その明らかにコンドーム買いましたって分かる茶色の紙袋に入れて!遅せぇ!はい、ポイントカード!い!そ!げ!』


って、心の中で理不尽な悪態つきながら焦る。


でも、誰も見てない、誰も気にしてない。

自意識過剰でゲットした妊娠検査薬。


もう何度も使った事あるから説明書なんか見なくていい。


15センチくらいの細長いプラスチックの平ぺったい棒の端を持って、自分の手にオシッコがかからないように気をつけながら反対の端にオシッコをかけて、残りのオシッコをしながら数十秒待つだけ。


判定窓と終了窓があって、簡単に言うと両方の窓に1本ずつラインが出て2本ラインが確認できたらご懐妊。


オシッコがジンワリと染み進んで、終了の窓に薄紫の縦ラインがゆっくり浮かび上がったら陰性。

こんな感じで、1本だけ確認して終わり。


はーい。気のせいでしたねー。

生理の週数ちゃんと分かってます?

計算間違えしてません??

保健の授業ちゃんと聞いてました?

生命の神秘なめんなよ?


って妊娠検査薬に冷たい口調で指摘されてる気持ちになって、情けなくパンツとズボンを上げてトイレを出る。


さっきまでは汚いなんて思わなかった、むしろ大事に持ってた妊娠検査薬が、オシッコがかかってる汚いただのプラスチックの棒に思えてゴミ箱の奥に押し込んだ。


妊娠してたら困るのに、妊娠してなかった事にショックを受けてる自分がいる。


そんな経験を何度もしてきた。


だから今回もいつもの流れでいい。


3人目を育てる金銭的な余裕も精神的な余裕も、体力の余裕だって無いんだから、今からこれを汚い棒にして捨てる。それだけ。


そう思ってた。

そう思わないと、また傷つく。


でも、期待してる。でも期待したらダメだ。


妊娠してなくていい。妊娠してなくていい。

妊娠してたら困る。妊娠してたら困る。

無理無理無理無理無理無理無理無理!


それなのに、オシッコをかけた瞬間から


ライン出ろ!ライン出ろ!ライン出ろ!!

だめ!判定窓を通り過ぎちゃダメ!

待って!まだ終了しないで!

2本出ろ!2本!2本!2本出ろ!

どうにかなるから!大丈夫だから!


って、自分が可哀想になるくらい願ってる。


こんなに溢れそうな母性をどうしてくれるんだ、どうせ1本なんでしょ、また1本なんでしょ。

汚いプラスチックの棒になっちゃうんでしょ…


って、えーーーー!おーーーーい!!!


2本!2本!!2本ある!!


ちょ、箱!箱は?!え、これって陽性ってこと?え、陽性ってどっちだ?え?陽と陰ってどっちがどっち?漢字似てない?!紛らわしいわ!あほー!


あー。やっぱりこれ出来てるわ、いるわコレ。


やべぇめっちゃ嬉しいどうしよう。あはは!なにこれ、笑いが止まらないんだけど!

不安から解放された時の人間は笑いが止まらないのか?!へぇー!ほぉー!不思議ー!あははー!マジかー!やばいー!出来てんじゃーん!あはは!あはは!よっしゃーぁぁーははは!


って、そんな事より電話電話!まず旦那に電話!

あ!でも電話でるかな?今13時か。休憩中かな?もう終わったかな?


まずは旦那に電話しようと思ったはずなのに、

かけた相手はオカン。


やっぱり先輩で同性のオカンの方が頼りにしてるのを改めて感じた。


オカンは4人産んでて、2回の堕胎手術もしてる。

2人の兄弟はこの世に生まれてないのに、自分は生まれた理由ってなんだろう。って思う時もあるけど、すぐ忘れる。

でも、たまに6分の1の自分を大事にしようと思う時もある。


オカンはシングルマザーで4人育てた。

自分は旦那もいるし3人なら贅沢しなきゃどうにかなるか。どうにもならない事は滅多に無いし大丈夫かな。


今はそんな心境で、時々お腹に手を当てたりしながらノンカフェインコーヒーの生活がスタートした。